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「創作願い。当然知ってるだろ?そこの彼女と脳味噌の中で仲良ししてたいんだろうけど、君らは登場人物予備軍なんだ。新しい物語に君が必要だって、主が呼んでいるんだよ。ほら、さっさと新作の世界に行くぞ」
ずっと出番を待ち続けている僕らにとって、本当なら喜ぶべき事。
だけど僕が物語の中に行ってしまったら、キャラクターとして創作されてしまったら、愛しい彼女にはもう……。
「君の話に彼女が登場すればまた会えるじゃないか。紫色の髪の毛、ポニーテール、体重42㎏、牡牛座、AB型、父親がガラス職人、母親がお姫様、3000年後の未来からやって来る……平凡なラブストーリーに、そんな子が使われる訳ないけど」
激しくイライラするニヤニヤ笑い。
しかし、怒鳴る事も殴りかかる事も僕には出来なかった。
彼の言うことが正しかったからだ。
僕と彼女はいつかこうなる運命だったと、お互いに薄々気付いていたのかもしれない。
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