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プルルル、と。
テンプレートな電子音、後一秒後に、始まった会話。
「もしもし」
『オレオレ、オレオレ』
・・・・・・・・・・・・。
え?何?逆オレオレ詐欺?
「・・・すいません、間に合ってますわ」
『あー!待て待て!ごめんって!!』
転校してきてから、早数週間。
こいつへのツッコミ方もだんだんわかって来たな。
満足そうに頷き、また言葉を紡ぐ。
「山口さん、今日さぁ」
『暇なのか?だったら俺ん家で--』
「いや、それがさ」
『?』
「まだ俺、社会の宿題終わってねぇのよ」
そう、夢(?)の中では忘れてしまっていたが、月曜提出の宿題があるのだ。
本当に死ぬとは思えないが、万が一にも、悔いは残したくない。
・・・ってのは口実で、実際は、『夢の中と同じ事をしたくない』のだ。
ノベルゲームとかでも、同じ選択肢(BADEND)は選ばないのが常識だ。
選択肢を選びながら、ちょっとづつ改変していけば、エンディングは変わるハズだからな。
・・・いやいや、そんな、正夢とか信じてませんよ、万が一です、万が一。
同じく課題を放置していた山口は、『新鞠狗』に資料を持ちに行く事に同意してくれた。
そして、数時間経ち、
13:30。
場面は、あのバス停へと移る--
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