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7月半ば、梅雨が明け気温が上がってきた頃。
青いキャンバスには人の作った鉄の鳥が白い軌跡を残していった。
「はぁ・・・」
『俺』は溜め息を吐いた。
理由は単純、見飽きたからだ。
因みに此処に居る時間はほんの十五分、
そんなに長くはない。
ならば何故?
それは俺が此処に『居る』のが二回目だからだ。
俺の名前は副島(そえじま)。
副島、真路(しんじ)。
普通の中学生だ、至って普通の中学生。
身長は170センチ。
体重は55キロ。
因みに独身、彼女募集中・・・って事はまぁ置いといて。
突然だが、俺は最近凄く不思議な事に出会った。
俺自身、まだ噛み砕けてない話なので、端的にしか言えないが--
俺は、死んだんだ。
俺はちょっと前にこの街の学校に転校して来た。
家の都合、って奴だ。
この街の人は皆良い人だったし、簡単に馴染めた。
そして死ぬ前の今日、七月二十日。
運命はギシギシと音を発てながら、ぎこちなく動き始めた。
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