招かれた運命

3/17
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
7月半ば、梅雨が明け気温が上がってきた頃。 青いキャンバスには人の作った鉄の鳥が白い軌跡を残していった。 「はぁ・・・」 『俺』は溜め息を吐いた。 理由は単純、見飽きたからだ。 因みに此処に居る時間はほんの十五分、 そんなに長くはない。 ならば何故? それは俺が此処に『居る』のが二回目だからだ。 俺の名前は副島(そえじま)。 副島、真路(しんじ)。 普通の中学生だ、至って普通の中学生。 身長は170センチ。 体重は55キロ。 因みに独身、彼女募集中・・・って事はまぁ置いといて。 突然だが、俺は最近凄く不思議な事に出会った。 俺自身、まだ噛み砕けてない話なので、端的にしか言えないが-- 俺は、死んだんだ。 俺はちょっと前にこの街の学校に転校して来た。 家の都合、って奴だ。 この街の人は皆良い人だったし、簡単に馴染めた。 そして死ぬ前の今日、七月二十日。 運命はギシギシと音を発てながら、ぎこちなく動き始めた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!