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「、 は 。」
声がまともに出なくなっていた。
両膝は体を支え切れず、ガクガクと笑う。
視界が目まぐるしく動き、頭がフラフラする。
カチカチカチ・・・、と歯の根が鳴る。
死。
人が人である以上、避けられない大イベント。
それがヒタヒタと足音を発てて、近づいてくる気がした。
ズチュリ、と水っぽい音がした。
見れば、腹部から飛び出していた爪が消失していて--
「 あ 。」
ドボドボと流れる赤い水流を感じ、身体は支えを失ったように崩れた。
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