第一試合

2/7
前へ
/57ページ
次へ
俺はあの後、女性から、部屋の鍵を貰い、今、その部屋にいる。 しかし、気に食わないことが・・・ 「何で、千紗がいんだよ。」 そう、俺の部屋に千紗がいるんだ。 参加者ではないから部屋は用意されていなかったらしい。 「え~。別にいいじゃん。 でも、タッちゃん、私は別にいつでもいいよ。 なんだったら、今でも・・・」 そう言って、千紗が俺に近づいてきた。 「却下。」 「え~、ここは受け入れてよ。ノリでもいいから。」 「やめろ。俺は、自分に借金ができる可能性があるんだぞ。 こんな状態で、そんな気持ちになれるか。」 そう、俺は、借金160万を抱える可能性があるのだ。 その確率は4分の2か3程度。 せめて、初戦だけでも勝って、不戦勝の権利だけでもほしい。 だから、俺はこんなに深刻に考えてるのに、こいつは・・・ 「そういえば、タッちゃん、第1試合見に行くの?」 「そりゃあ、どんなのか少し見てみたいから、最初の1時間で程度だけ見ておく。」 すると、千紗が首をかしげた。 「何で、1時間?」 「俺は、ただ単にゲームの展開を知りたいだけだ。 ゲームの総時間は約16時間。そんなのをずっと見てたら、次は俺の試合なのに、集中力がほとんど、ない状態で戦わなけらばいけない。 だから、最初の1時間、まあ、最後の1時間、見とく。」 「へえ~、タッちゃんでもちゃんと考えてるんだね。」 「当たり前だ。」 俺の顔がいつになく真剣だったのに気がついたのか、その後、 千紗は、俺に気を使って、それから、話をしなくなった。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加