向こうから・・・

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俺と川村は、部屋にいた。 そして、少し沈黙が訪れる中、川村が破りにきた。 「で、さっきの話してほしんだけど。」 「・・・ああ、あの話か。」 塔は少し曇った表情をしていた。 何かにおびえるというか、悲しい表情を。 そして、塔は話し出す。 「千紗は・・・あんたが思っている通り、俺の彼女なんだ。 そして、俺がここに来た目的はもちろん、千紗にある。 彼女の父親が400万ほどの借金をしているんだ。 父親は、それでも、毎日酒をのんだり、ギャンブルに走ったりして、今も借金を増やしている。 いわば、千紗は絶望の場所にいるんだ。 そんなことを知らない俺は、あいつの笑顔に癒される身になっていた。 しかし、俺は聞いてしまったんだ。 千紗の近所にいるおしゃべりなおばさんのせいでな。 そして・・・俺は金を求めた。 バイトを始めたり、金を借りたりと。 それはほんの気休めかもしれないが、それでも、俺は千紗のためにがんばった。 そんな時に、このゲームの招待状が来たんだ。 俺は、リスクはあるとは思ってはいた。 だが、千紗のために・・・俺は、このゲームをやることにしたんだ。 それが俺がここに来た理由だ。」 俺は最初から真実を話すつもりはなかった。 ただ、こんな理由でも、ぶつけとければ、川村は弱くなるかもしれない。そう踏んだのだ。 俺に対する見方で、勝負はあっけなく終わってしまうこともある。 そんな俺の話を聞いて川村は、やはり、少し、悲しそうな目をした。 しかし、可哀相と思っている感じがした。 そこでは、俺の満足感が出ていたのだが、俺は気づかない。 川村はそんな話、【嘘】ってコトを。
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