向こうから・・・

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そんな川村に悲劇が訪れた。 恋人が借金を抱えたのだ。 理由は、この地域で知り合った男に、金の儲け話をされ、その男に騙されてしまったのだ。 彼は、数百万の借金を抱えたのだ。 そして、彼は、『自分は、少しばかり、遠くへ行って、稼いでくる。俺が帰ってくるまで、保証人になってくれ。』と。 川村は、恋人の非常事態に付き合った。 川村は、恋人の進路を無くしてしまった罪滅ぼしとして、この話を引き受けたのだ。 そして・・・彼は1年、2年、経とうが帰ってこなかった。 そして、いつしか、恋人の借金は、川村の借金となり、川村は利息分の金さえ払うのは困難だった。 大学の休みをすべて、バイトにしても、非常に苦しい生活となった。 そんな非常事態に、このゲームの話が舞い込んだのだ。 そして、塔が借金の話をしたとき、恋人に対する怒りがこみ上げてきていたのだ。 こんな話に情が流されるわけがない・・・と。 むしろ自分の方が、非常に残酷だと。 川村はそうは思っていたが、 言葉では、その話を信じるふりをしていた。 塔は、そんな川村の過去を知らずに話していた。
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