第三章 それぞれの帰還

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 一つの巨大な大陸を、一つの巨大な国とする、大陸統治国家“シキサイ”。  この国では、現在激しい内戦が勃発している。  事の発端は一年前。  絶対王制である“シキサイ”では、王座に君臨するキング山根が、横暴な専制政治を行っていた。  当然、国民の反発を買い、人々の国に対する不満は積もっていくばかりであった。  キング山根は、その強大な軍事力に物を言わせ、粛正の二文字の下、次々と反乱分子である民を鎮圧していくのである。  そんな中、国の未来を案じた“シキサイ”のプリンセス・山崎友理は、義父であるキング山根に背き、一部の兵を率いて国家に真っ向から対立する。  その動きに連なるかの様に各地の教会が国に背信し、独自の戦力を組織していく。  教会側の中心となるナオハラ村には、“黒の子供”と呼ばれる戦闘集団、そして各地より集結した傭兵部隊が拠点として滞在している。  この三つの勢力は、互いに対立し合い、戦況は硬直状態に陥っていた。
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