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『………』
高橋が学校から持ち帰ったオレのプリントを眉間にシワを寄せて眺めている
オレはシャワーを終え
牛乳をグラスに注いだ
プリントは進路希望を書き込み提出する事になっている
高橋は教員免許を採るために地元の大学へ
オレは白紙のまま置いている
『ヒロもしかして就職希望?』
オレは苦笑する
高橋の座ってるソファの隣に座る
高橋は肩に掛けたタオルを使って まだしっとりと濡れているオレの髪を拭いてくれる
『一緒にF大学にしよう…なっ』
高橋に夢があるように
オレにも夢が出来た
それに気付かせてくれたのは高橋だったんだ
長い入院生活で考える時間はたっぷりとあった
初めは小さな関心
調べる内に確信へと変わっていった
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