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オレは窓の外を見る
窓を打ち付ける様な激しい雨と風
春の嵐だ…
高橋がTVを見ながらクスクス笑ってる
もう高橋を意識し出して
丸1年経つのだ
こんなに自分が しつこい性格だとは思わなかった
オレにしたら恋愛は性の対象だけで ぶっちゃけHの相性が全てだった
自分の性対象が同性で
とりあえずHして相性良ければ付き合う
多少のルックスも気にしたが
オレはその点では恵まれていた
たかが中学生になりたてのオレには安全で当たりの相手を いつも与えられる境遇にいた
その温床でヌクヌクと過ごせばオレは幸せで居続けたのかもしれない
でもオレは……
『………』
高橋はソファでスッカリ寝息をたてている
仕方なくオレは隣のベットルームから毛布を取ってきて
高橋にかけてやる
『………』
人の気持ちも知らずにスヤスヤ眠りやがって
長い睫毛…
高い鼻筋…
整った唇…
高橋の あの低く響く声を思い出す…
ノンケで女にだらしないヤツに惚れても仕方ないだろ(笑)
1年前に言われた言葉を思い出す
でも…
それでも…
オレは高橋以外じゃダメなのだ…
オレの中は
春の嵐の様に荒れていた…
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