終末の足音

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口にこそ出しはしなかったが、幸司も同じ気分だった。 緩やかに寄せる波のような群衆は見る者すべてを圧倒した。 群衆はそのほとんどが一般市民で構成されている。 しかし、中には水色の制服を着た警官もちらほら混じっているようだった。 警察も暴動に参加しているのだろうか。 通りの向こうからやって来る群衆が近付くにつれて、叫びとも呻きとも取れる声が微かに聞こえてくる。
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