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群衆の先頭と機動隊の前線との距離は、そろそろ百メートル位になろうかという程にまで近づいている。
「ガス銃分隊、前へ!」
中隊長の命令で、それまで隊列の後方で待機していたガス銃を装備する隊員が、盾を持った幸司達のすぐ後ろまで前進してきた。
「ガス弾装填、撃ち方用意!」
中折れ式のガス銃に催涙ガス弾が装填される音が響く。
マフラーを巻いた首筋にうっすらと、冷たい汗が滴るのを感じた。
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