終末の足音

16/30
前へ
/337ページ
次へ
機動隊員達が一斉に駆け出し、群衆を追い散らしにかかる。 しかし、群衆は怯むことなくこちら側に寄せて来る。 「構うな! 押せェ!!」 飛び交う怒号、それに続いて盾が人体に打撃を与える鈍い音が聞こえてきた。 幸司も目前の暴徒を見据え、群衆の一人を押し戻す。 ボロボロの服を纏ったホームレス風の男は大袈裟に転倒し、周囲の数人を巻き込みながら吹き飛んでいった。 押しては構え、構えては押し、半ば作業化した行為を繰り返す。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2178人が本棚に入れています
本棚に追加