終末の足音

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頭の中で、何かが焼き切れた。 そこからは激流だった。 恐怖が恐怖を生み、何かのタガが外れたように機動隊の列は崩れていった。 ある者はその場に立ち尽くし、ある者は盾を捨て逃げ出し、またある者はその場に踏み留まり群衆の波に呑まれていった。 幸司もまた目の前の群衆と対峙していた。 (逃げなきゃ殺られる!) 本能でそう直感した幸司は次の瞬間踵を返し、逃げ出した。
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