終末の足音
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『幸司兄へ』 そう書かれた手作りのお守りは、彼が警察学校への入学試験に臨む時に妹から貰ったものだ。 どんなに辛い事があった時もこれがあれば何だって乗り越えられる気がした。 この物語の主人公『水瀬 幸司』の宝物である。 幸司はしげしげとそれを眺め、また元の胸ポケットに戻す。 目的地までは、あとほんの少しだった。 急速に喉が渇いていくのと同時に気が引き締まるのを実感する。
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