幼き逃亡者

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次に、ソラの意識が戻った時は、ベッドにはいなかった。 近所の人に抱き抱えられていた。 頭部に頭痛が走り、額に違和感を感じたソラは、額に手を当てると手には赤い液体が付着した。 近所の人は、 『死ぬんじゃないぞ!』 と叫んでいた。 周りは、赤い。熱い。 今まで感じたことのないような違和感。 頭は激痛が走り、動かせず、眼球だけで辺りの様子を見ると、たの静かで過ごしやすい筈の住宅街が…… 赤く紅く朱く…燃えていた。 暗い筈の空さえも炎で紅く染まっていた。 一軒だけじゃない。 視界に入る家は全て燃えていた。 ソラは、理解出来ないまま、激痛に顔を歪めながら、両親はどこか尋ねつづけた。 …しかし、ソラを抱える人は気まずそうな顔をして、答えようとしなかった。 いつしかソラの意識は、闇へ沈んで行った…………。
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