第一話 吟遊詩人

2/19
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
バサッ 羽ばたきの音がする。 男は、自分しかいないはずの部屋で聞こえた不審な音のする方へ振り返る。 そこには… ――― ―― ― カミラ「こんにちは、村長。」 村長「おお、天使様。ようこそいらっしゃいました。」 村長と呼ばれた初老の男は背中に三対の翼をもつ青年を家に迎え入れる。 子供1「わぁ。カミラ様だ。」 子供2「カッコいい。」 子供3「カミラ様もいっしょにじい様のおはなしきこ?」 カミラを見た子供達は大好きな天使様が来たことではしゃぎだす。 そして、村長の話しを一緒に聞きたがる。 カミラ「お話し、ですか。 村長、今回はどのような話しを聞かせていただけるのですか。」 村長「天使様に聞いていただけるとは…話しがいがありますねぇ。 今回は、この地方に古くからある伝説を元にした民話にございます。 天使様は黒き御使いの話しはご存知でしょうか?」 カミラ「黒き御使い? …いえ、私は聞いたことがありませんね。」 カミラは暫し思案した後、このように答えた。 それを聞いた村長は嬉々とした表情で語りだす。 ――― ―― ― .
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!