第一話 吟遊詩人

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男が振り返るとそこには…、一対の黒き翼をもつ御使いがいました。 男は黒き御使いのことを訝しそうに見ています。 黒き御使いのほうは男が口を開くのを待つかのようにじっとしています。 男は問いました。 男「貴方様は何方でしょうか。何用があって我が家へ参られた。」 と。 黒き御使いは応えます。 黒「私は天宿りに来ました。」 と。 男「雨宿り、ですか?」 男は困惑しながら繰り返します。 何故なら、外は雨など降っていません。むしろ、雲一つなく、よく月が見えます。 それに、黒き御使いは微笑を浮かべながら言います。 黒「空から雫の降る“(アマ)”ではありません。空よりも遥か天空を指す“(アマ)”のことです。」 と。 .
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