00.虚圏の大王,死す

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虚圏西端―――――――― 偉大なる宮殿跡地。 現在はキル率いる反乱軍の本拠となっている。 「さて,これで虚圏は大きく二分したわけだが虚圏は広い。まだ不確定要素が居る筈だ。戦いの途中でそいつらに介入されると厄介だ。調査部隊を結成し,それらの捜索及び討伐にあたれ!」 「ハッ!」 統率力のとれた軍を操り,先を見据えた動きを見せるのはキル率いる西軍であった。 「時間が掛かりそうだ。全く反吐が出る。広大が故に統一にも時間が掛かる…か。難儀な話だ。」 この広大な虚圏には以前も戦争があった。覇権を懸けた争いである。その戦いに勝利した者こそ故 大王である。その際,バラガンは窮地を大王に助けられた。圧倒的な力で助けられたバラガンはこの王の下で自らの力を振るおうと決めた。バラガンが大王に仕えていたのはそういう理由であった。 その戦争終結の際,表面上服従した虚たちが全体の3割ほどを占めていた。 これがキルのいう不確定要素。 もちろん軍に属さない者もいれば統率のとれた軍に属す者もいて思想は一切不明。 戦いの途中で手を出されれば戦局が一気に変わる怖れもあり,キルは不確定要素から排除していくことに決めた。
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