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私の志望する高校は、言ってしまえばかなりの難関だ。
特に私にとっては。
それでも我が高校からは毎年平均5人位が受かっているらしい。
とは言え私の成績は学年195人中153位(前回校内テスト結果より)。
そう、今のままではダメなのだ…。
何が何でも、死力を尽くしてあの大学に合格する。
その気合いを持って、私は1時間前から三角比との全面戦争を展開していたわけである。
戦果は余り芳しくはないのだけれども。
「ダメだ…、これ以上やったら私の脳が潰れる…」
そう呟いてシャープペンシルを置いたのは更に30分後。
「待っていなさい……休んだ後の私の脳力はアンタなんか一撃なのだから…」
誰かが聞いていたら恥ずかしいような休戦宣言を三角比の問いに言い残し、私は携帯の電源をつけた。
「うあー…、もう眠くなってきちゃったな…、今日は寝ようかな…?」
最速の前言撤回である。
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