38人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
一度落ち着こう。
何故、出会ったのか、そこからよく思い出せない。
ただ、俺には彼女が見えた。
それだけの話。
真夜中の公園。彼女は1人でペンキの剥がれたベンチに体操座りをしていた。
小さな身体が小さな膝を抱えてうずくまっていたのだ。
泣いているように見えた。
今となっては水城が泣くなんて有り得ないとスルーするけれど、あのとき、彼女は震えていた気がするのは……やはり、気のせいだったのだろうか。
月明かりに照らされたその儚い存在を無視出来なかった……。
最初のコメントを投稿しよう!