佐波さん、30歳

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一度落ち着こう。 何故、出会ったのか、そこからよく思い出せない。 ただ、俺には彼女が見えた。 それだけの話。 真夜中の公園。彼女は1人でペンキの剥がれたベンチに体操座りをしていた。 小さな身体が小さな膝を抱えてうずくまっていたのだ。 泣いているように見えた。 今となっては水城が泣くなんて有り得ないとスルーするけれど、あのとき、彼女は震えていた気がするのは……やはり、気のせいだったのだろうか。 月明かりに照らされたその儚い存在を無視出来なかった……。
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