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それがこの惨劇を招くことになることをあのときの俺は知らない。
今なら絶対にシカトするだろう。
いい加減、首にぶら下がるのを止めてほしい。
「水城、重い」
「嘘だぁ~。私体重ないよ?」
その通り。
こいつには質量など存在するはずもない。
今も地に足付かずだ。
「お前は腐っても霊なんだ。金縛りみたく身体が固くなる……」
「縛りたいもん……。だって、淋しいもん……」
顔は見えなかった。
けど、確かに水城という存在はここにある。
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