プロローグ

6/7
前へ
/103ページ
次へ
2人はメンバーの中でも、最も仲がいいと言われるくらいの仲良しだった。 猶が投げ、太が取り、そうしてこのトーナメントも勝ち進んできた。 あと少しだった。 あと少しで優勝だった。 最後の一球はけして悪くはなかった。 もちろん太の要求してきたコースに決まった。 ここで、『ズバッ』とミットに白球が収まり、『ゲームセット』のはずだった。 たまたま、たまたまだった。 たまたま打者のバットがボールの軌道に一致し、当たっただけだった。 まさか打たれるはずがなかったのだ。 ウンガスコシワルカッタダケ 頭をこんな言葉がよぎった。 その瞬間、一瞬にして喜びが悪寒にか わり太の背筋を通った。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加