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「あー、涼風!どこ行ってたのお?」
教室に戻ると、私を見つけたサチが駆け寄ってくる。
「いつの間にかいなくなってんだもん。せっかくサチが、谷地と話せる場を提供しようと思ってたのに~……って、涼風?なんかあった?」
非難ごうごう、といった剣幕で詰め寄って来たサチは、ふとその勢いを止めて私の顔を覗き込んだ。
「え?なんかって?」
首を傾げる私を、サチはじーっと探るように見つめる。
「……にやけてんだけど」
「涼風もいなかったけど、谷地もいなかったよね」
サチの後ろから、ひょいっとひろのが顔を出した。
「一緒にいた?」
さすがひろの。
勘が鋭くていらっしゃる。
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