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『水野。水野』
相変わらず声はするのに、一向に姿が見えない。
「谷地?谷地!」
不安になった私は、思わず大きな声をあげた。
『水野。起きて』
え?
私、起きてるよ?
『んもー。寝ぼけてないで、早く起きてってばー』
……え!?
なに、その言葉遣い!
や、谷地……もしかして、そっちのケが……っ!?
――ううん!
たとえ谷地にお姉趣味があったとしても、私の気持ちは変わらな――
「お姉ちゃん!!いい加減起きてってば!!」
「……ほえ?」
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