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あれから特別講師と、再び会う約束をした真実。
真実は、それを心待ちにしていた。
なにより、兄にされる時よりも楽しい…と言ったら変かもしれないが
どことなく、優しさのようなものを感じた。
ある日、いつものように
真実が学校へ行くと
まだ早かったらしく、教室には担任が、ひとりいるだけだった。
「おはようございます、先生」
「ああ、おはよう!真実くん」
担任の永原先生は、いつもと変わらぬ笑顔を真実に向けた。
真実が担任のそばを通る時、ふわりと何かの匂いがした。
(いい匂いだな…)
真実はそう思いながら、席につく。
担任は、真実を見ながら
先日の出来事を思い出していた。
真実の、夜の特別講師。
それが、担任、永原 紀之(としゆき)のもう一つの姿。
でも、真実はそれを知らない。
真実が、特別講師と会うのは明日の晩だ。
担任の永原先生は、それが楽しみで仕方がなかった。
(待ってろよ…真実)
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