第三章 恋歌

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夜まで待ちきれなくなったミナモはドルのところに行き、外の世界へ行く協力をさせた。 哀れにも、桃色の肌は傷だらけだった。 初めて見る地上は、予想よりも遥かに美しくてミナモは感嘆のため息をついた。 岩場に腰掛け、歌う。 一の姫から教えてもらった人間の恋歌。 歌が聴こえる。 とても綺麗な澄んだ歌声。 シリウスは引き寄せられるように聞こえてくる方向に向かう。 人魚がいた。 とても美しい人魚が。 腰まで伸びた黄金の髪が眩しく、白い肌に張りついていた。 紅い唇から奏でられる歌は、有名な恋の歌。 シリウスはもっと近くで聴きたくて、彼女に近づいた。
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