第一章 海の歌姫

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ミナモは海の神・ポセイドンの末の姫。 海一番の美しい歌声。強い魔力をもつ海の歌姫。 海の宝。 だがミナモはそれが嫌で、よく城を抜け出していた。 水面に揺れる陽の光を見てため息をついた。 自慢の鮮やかな金の髪を掻き揚げ、燃え盛る炎のような紅い瞳を細めた。 誰よりも美しく、誰よりも地上に憧れる人魚姫。 大切にされなくていいから、自分も地上を見てみたい。
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