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成人すれば、地上を見に行くことを許されている。
だがミナモは許されなかった。
姉姫たちは皆地上に上がって見てきている。
何百の色で世界を造っていて、海の都とはまた別の美しさだという。
元々好奇心旺盛な性格のミナモは日に日に地上への強い憧れが強まっていった。
『ミナモイタ!ミンナ血相変エテ捜シテルヨ』
桃色のいるかがミナモの傍まで泳いだ。
彼はミナモの親友だ。
そうだ、彼ならーーー。
「ドル」
にこりとミナモが笑った。
この後、彼は脅され、泣く泣く地上に向かう手伝いをさせられたのだった。
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