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「僕はやってない……」
私は目を疑った。
この、まだ青年とも呼べる
者の変わり果てた姿に。
私は、この職に就いてから
まだ1年も経っていない。
だが、完璧と言ってもいい程
この職に慣れた筈…だった。
が、今ここでそう言った
事を撤回する。
今だに私はこの職に
慣れ無い。
いや…
このやり方に。
「早くしろっ!!!!」
先輩とも呼べる人の態度に
正直、私は苛々していた。
あまりにも酷過ぎだ。
彼は私達からしたら
まだ、幼い青年なのに
顔や腹部、あらゆる所を強く
殴り過ぎだ…。
勿論、まだまだ下に居る私は
口が滑っても言えない事で
あるけれど…。
「こっちに来いと言って
いるんだっ!!!!」
彼の罪が裁け無い。
そんな理由で上司は苛々して
いるのだろう。
彼は現段階では事情聴取と
言う形でここ(刑務所)に
居るのだが、この事件に
関わる他の上司から言えば、
彼の罪は略、確定らしい。
「僕はやってない…」
彼は違う取調べ室に移っても
それしか言わなかった。
いや。私から見たらそれしか
言えない様にも見えた。
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