王国

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そんな中王がいつものようにこんなわがままを言うのだ。 「そういえばもうすぐ私の誕生日ではないか。今回はどんな誕生日にしよう」と言い出したのだ いつものようにまた思いつきで話し始めた 「今年はそうだな……昨年はガラスで城を作った。いつまでも何もしないで放置するのはもったいない。そうだ。そこにこの国に来た旅の者を呼ぼうとしよう」 家来はまたかというように溜息をつきそうになるが王の手前そんなことはできない。どうせくだらないことだろうと考えるも。呼んで何をするつもりですかと家来は尋ねた すると王は顎に蓄えれた立派な髭を擦りながらこう答えた 『わしはこの国の王だ。この国から離れることができん。わしは嫌われ者だしな。命を狙われるかもしれん。』皮肉いっぱいに家来を値踏みをするかのように顎をさすり家来たちを見渡す。  『ならばせめて他の土地のことが知りたい。だから旅の者を城に呼び話しを聞くのだ』 家臣達は自分達の耳を疑う なぜならプルーフは今年で成人の儀式を行い一人前の王として扱われるのだから催しが、よりいっそう家来の考えにも及ばない馬鹿なことをするだろうとうわさになっていたからだ。 このプルーフ王の一言は勢いをつけた風のように瞬く間に国中に広がった。 これを聞いた国民は様々な暗い思案をすることになる 周りを見渡し雨が降るのではないか心配する者。 いやいや雨どころか雷が城に落ちるだろうと覚悟する者。 もしや王は偽物なのではないかと疑う者もいる。 あまりにいつもの王らしからぬ発言に家臣は戸惑っていた。 その中にはもしやほかの国に出かけて遊び通そうとしているのではないかと頭の隅によぎるものもいたが、いやいやこの王にかぎってそれほど深く考えてなどいないだろうと流した。 とうとうその準備ができ旅のものを連れ込んだ。あらゆる民族の者達が列をなして王様の前に膝をついた。 「では話を聞こうか」 旅人はどんな話をしていいのか悩み王様にどんな話がいいのかを聞いた。
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