死亡フラグ?

5/17
前へ
/413ページ
次へ
オレは立ち上がり、自分の席に着く。 こんなのは毎朝のことだ。 特に気にかける必要もないだろう。 ななもオレの後に続き席につく。 ななはオレの席の隣だ。 クラスでは 「ねーねー昨日のTVみた?」 「やっべ!教科書忘れた!!」 「数学の宿題やったぁ?」 などと朝らしい雑談で賑わっている。 教科書の出し入れをしていたオレの目の前に翔が来た。 「なーなー?なんでお前は、そんなにななちゃんと仲いいの?」 「[な]が多いんだよ。もっとわかりやすい文体にしろ」 「お前はななちゃんと付き合ってるの?」 「文体どころか意味まで変わってんじゃねぇかよ…。別に付き合ってなんかねぇよ」 「うそつけ!じゃあなんで毎朝一緒に登校してんだよ!?」 「偶然だ、ぐ・う・ぜ・ん」 オレはちょっと意地悪く言った。 「くそぉ~…ところでケン?今日から新任のセンセが来んのしってるか?」 オイオイ唐突だな。 オレは[流行りの~]に滅法疎いのである。 そんなのも災いしてか 「~ちゃんと~君が付き合ってる」 とか 「~先生が退任するぞ」 など、学校の情報もよくわからん。 「そうなのか?」 「やっぱしらねぇか。噂話とかに参加したほうがいいぜ?」 「余計なお世話だっつーの。で? どんな先生なんだ?」 「おう! それがさ、えっれー若い女教師なんだって!」 「なんだってって…お前まだ見てないのか?」 「もしかしたらその女教師と…教師と生徒の垣根を越えた素敵Eventが…」 ダメだ使いモンにならん。 こういう時は…… 「なぁ? なな。今日から入って来る新任の先生のことなにかしってるか?」 オレが授業の準備をしているななに話かけると、ななは手をとめ、 「長田先生のことかな? それだったら昨日会ったよ」 なんで昨日会ってんだ? コイツ。 すると聞いてもいないのにななは喋り出した。 「昨日ね職員室に行ったら自己紹介してたの。とっっっっってもキレイな先生だったよ!」 ふーん…コイツが言うなら間違いなさそうだな。 翔は当てにならん。 「どんな容姿なんだ?」 オレも男なので少しは気になる。
/413ページ

最初のコメントを投稿しよう!

265人が本棚に入れています
本棚に追加