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「んーとね……髪を片方で縛ってて、淡い紫で染めてた。でも、ケバくはないよ? むしろ誠実そうかなぁ。スタイルもいいしね」
コイツが言うなら相当だな。
「なに? ケン。もしかして色目使おうとしてるの?」
「いやいやいや。そういう意味で聞いたんじゃねぇよ」
「ふふ……そうだよね。ケンの好きな人は私だもんね」
でたよ……コレ。
ときどき来るんだよ。
この冗談。
「ちげぇよバカ。誰がてめぇを好きになるか!」
まぁ、最初の頃はテンパってたケドさぁ……。
もう慣れたというかね。
「ひどいなぁ…」
そんな他愛もない会話をしていると……
キーンコーンカーンコーン…………
HRの始まりのチャイムが鳴った。
「ほら。とっとと席に着け」
オレは照れ隠ししながら言う。
「ハイハイ」
ななが席に着いたと同時に、ガラっと音がして教室の前方のドアが開く。
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