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「ハーイ。楽しい楽しいHRが始まるぞー」
見知らぬ先生が開口一番にそう言った。
冷静に考えれば新任の先生だとわかるハズだが、皆突然の事でパニくっていた。
「あ、自己紹介がまだだったな。新任の長田 幸だ。[サチさん]とでも呼んでくれ」
ななが言うだけあって、かなりの美人[ストライク]だった。
軽くボーイッシュなところがまたいい。
「「「サチさぁぁぁぁぁぁああああん」」」
クラスの男子の半数が叫んだ。
まったく…無駄な時だけ団結力がいいな、このクラス。
「おぉ。元気がいいな!さてと……自己紹介がすんだところでHRを始めるぞ」
新任とは思えない手際の良さで、HRを進めていくサチさん。
「連絡事項は以上だ!質問はあるか?」
「「「ありません」」」
気持ちわりぃぞ?おまえら。
「そうか。今日一日頑張れ。それじゃ」
そしてなぜに引かんのだ?サチさんや。
そんなオレの心配をよそに、すたすたと廊下へ向かうサチさん。
HRの終わりから一時限目の始めるまでクラスはサチさん一色だ。
もち翔も。
「なーなー。みたか?サチさん。なんかもーアレだよなぁ…。あれだよなぁ…」
「んだよ気持ちわりぃな。ななに振られたのに、まだ懲りねぇのかよ?」
「フラれてねぇし。ななちゃんの好みじゃなかっただけだし」
はいはい、そういうのを世間では“フラれた”と言うのですよ。
「あっそうかよ…」
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