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今日の中身はっと……
弁当の中身を見ていると、翔が妙にソワソワしているのに気が付いた。
あっそうか……なるほどな……
「なぁ翔。なにやってんだ?」
オレは翔に耳打ちをする。
「んんー? いや、お前に弁当があるなら俺にもあると思って」
やっぱりな、そんなことだろうと思ったぜ。
オマエいっぺん死ねや。
どんな理屈だよ。
「アホか。あるわきゃねぇだろ」
「うるせぇー‼ だまってろ。ななちゃんは優しいんだよ‼」
馬鹿! それじゃ耳打ちの意味がぁ…
「えっと……翔君?」
どうやらななも、こちらの会話に気付いたらしい。
「は、はい? なんでしょう[裏声]」
コイツは貰えるとばかり思って、変に気持ちが高ぶっている。
「あの……その……ゴメンね?」
上目遣いでななが翔を見た。
その仕草はオレから見ても十分かわいかった。
主演女優賞なみの演技? だな
ソレを直に喰らった、翔は……
「ーーーーーーー」
案の定立ち尽くしている。
もはや、弁当の有無は関係ないようだ。
一応話しかけてみよう。
「オイ? 翔? おーーい?」
返事がない。
ただの屍のようだ。
ダメだこりゃ。
「悪いなな! オレコイツと行かなきゃ行けねぇトコがあるんだ!」
かなり強引だったが……
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