refrain

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ずっとずっと、 頭の中で声が響いてる。 "紫紀" 夜が来る度、 夢を見る度、 "紫紀" 『俺の名』を呼ぶ声。 …いや、正しくは 『俺の名らしい名前』か。 "待ってて、紫紀 俺、すぐに戻ってくるから" あんた、一体誰なんだ? 「紫紀!!」 目が覚めたら、 見知らぬ病院。 周りを見渡せば、 知らない人々。 それに、 知らない自分自身。 ここはどこ? 私は、誰? …冗談だろ? 何で俺が、こんな目に。 「俺の名前は翠。笠間、翠。よろしくね!」 「笠間…くん?」 「…うん!」 「あんたは…俺のこと、知ってるの?」 「…もちろん」 泣きそうな、でも 真剣な、笠間くんの表情。 「紫紀の親友、だよ?」 そう言って彼は、 ニカッと笑ってみせた。 .
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