妹が可愛すぎて、兄さんはいつもデレデレなんです

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    *  *  * その日の夕飯の席で、亞恋(あこ)は突然切り出した。 「兄さん、ご相談を1つ、よろしいでしょうか?」 正面に座る彼女は、お茶碗の上にお箸を揃えて、なにやら真剣な表情でこちらを見てた。 妹にはとことん弱い黎明(たみあき)が、いつもと変わらない調子で訊く。 「はい、何でも言ってください」 「実は、とっても申し上げにくいことなんです‥‥。きっと、兄さんはご存知ないと思われますが」 「何ですか?」 「友達が、出来ません」 「サラッと心の痛いこと言われても、兄さん困っちゃいます」 ついでに言えば、妹に友達がいないことくらい、ずっと前から知っていた。それでも言わない優しい兄だ。 「そこで、折り入ってご相談なのですが。お友達というのは、どこの100円ショップで売っているものなのでしょうか」 「そんな100円ショップは見たことがありませんね。100万円くらい払うと、擬似的なお友達になってくれるお店はありますけど」 「音に聞く、100万円ショップですか?」 「そんなものありません」 とんとん拍子の勢いで飛び出す話を遮るように、亞恋が湯のみを口に添える。一時休息、熱いお茶で細い喉を潤した。
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