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「……トト、今の見てたな。まずったな」
「なんで?」
「いや、なんでって……。トトはドロシーちゃんがらみだと目の色変わるじゃない?」
「オカン従者だからねぇ。保護者のつもりなんでしょ」
「いや、そういうことじゃなくて……。はぁ~。まぁ、いいか。わざわざ教えてやることないよな」
「何? 気になるじゃない」
ん~、といいながらアルは私の頭をポンポンとやった。
「トトも苦労するなぁってことと、俺も引く気はないからってこと」
それだけ言うと、アルも行ってしまった。
……どいつもこいつも。なんなのよ。いったい。
リビングに入ると、皆集まっていた。
テーブルの上に書類と地図を広げ、何かを書き込んでいる男がいる。Dr.オールボーンだ。
「おはようございます。先生」
「お前は早くない」
即答っすか。
くっ……! こんなことで負けるもんかっ!!
「な、何してるんですか?」
「グリンダからもらった情報の分析と目的地までの最短ルートのシミュレートだ。誰もしないから僕がやってる」
……うぅ。いちいち痛いな。この人は。
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