オズ～ＯＺ～

サザンクロス～情報屋とコウノトリ～

「とにかく……だ。場所は見つかったんだが、あのヤロー条件出してきやがった」

「条件……ですか？」

「ああ。俺達の誰かがヤローの店に行って、預かってくれる先生の場所を聞いてから本人と直接交渉しろだとよ」

「それはまた、回りくどいっつうか、なんというか……」

トトがため息をついた。

「……モグリの医者なんだとよ。そいつ。昔、“オズ”にいたらしいんだが……ま……いろいろあって“オズ”にも“軍”にも思うところがあるんだろ」

義父さんが複雑そうに笑った。

……義父さんも“オズ”や“軍”に対してはいろいろな思いがある。

重ねたのかもしれない。

「んで……店に行って情報を受け取って、本人と直接交渉する大変な役は誰がするんですか？」

トトが腕組みして、義父さんを睨んだ。

「……聞かなくても、わかるだろう」

「……俺ですか」

トトがこれ見よがしにふうっと言って、額に手をあてた。

「他に誰がいるんだ？」　

義父さんがニヤニヤしながら、トトの肩をバンバン叩いた。