サザンクロス~情報屋とコウノトリ~

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「じゃあ、一緒に行ってもいい?」 にっこりと笑いながら、トトに迫る。 「つか、なんでお嬢は一緒に行きたいんです?」 「グリンダさんに会いたいから。この間グリンダさんが診療所に来たとき、約束もしちゃったし」 「何を?」 「“今度はあたしのお店でガールズトーク&恋バナしましょ”……って」 「ガールじゃないでしょう……ガールじゃ」 トトが眉間に手をあて、首を振った。 「アンのヤロゥ~。俺の知らんところで、俺の大事な娘に……」 義父さんがぶつぶつと文句を言う。 「むぅ~。やっぱりパパは反対だな。カドリングもあのヤローも危険だ。ドロシーはパパと一緒にお留守番!」 「えぇ~。そんなぁ~」 「エム。お前からも何か言ってくれよ」 義父さんが、それまでずっと黙ってたエムに同意を求めた。 「そうですね……。ドロシー様。トト様とカドリングに行ってください」 義父さんが“ずるっ”とずっこけた。 「ええ~!? ななな、なんでっ!? エムちゃん、なんでなんでっ!?」 義父さんがエムに抗議する。
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