サザンクロス~情報屋とコウノトリ~

11/16
前へ
/604ページ
次へ
「私に?」 ホグがこくりと頷いた。 「ありがとう」 にっこりと笑いながら、四つ葉のクローバーを受け取った。 ホグも嬉しそうに笑う。 「……四つ葉のクローバーはいいんですが、具合はどうなんですか?」 エムが覗きこみながら、ホグに聞いた。 「……大丈夫だよ」 ホグが恥ずかしそうに答えた。 「おう。だいぶ良くなってきてるみたいだがな……。油断は禁物だぜ。ボウズ」 義父さんが、笑いながらホグの頭をわしゃわしゃと撫でた。 「わっ! だ、大丈夫っ……ですから……!」 顔を真っ赤にして、私の後ろに隠れるホグ。 袖をぎゅっと掴んでいるのが、かわいらしい。 「まぁ……ちょっとくらいなら、外に出ていても良いですよね?」 トトが私の横に来て、ホグにそう言った。 「………………」 無言のホグ。 「……なんで、この子は俺だけにはこうなんですか?」 自嘲気味に、はははとトトが笑った。 「そりゃ……お前……怖いからだろう……」 義父さんが、呆れたようにそう言った。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加