サザンクロス~情報屋とコウノトリ~

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「俺のどこが怖いんです?」 「何? お前自覚ないの?」 義父さんが、更に呆れたようにため息をついた。 「……お前ね、この子がドロシーになついてるから、この子がドロシーの側に来るたびに真っ黒いオーラが漏れ出てるんだよ」 「そうですか?」 「ったく……。子供相手にむきになりやがって……。大人になれよ。大人に」 「……あんたにだけは言われたくないなぁ~。てか、この子が勝手に俺のことライバル視してるだけじゃ……」 トトがそこまで言いかけた時、またノックの音がした。 「あ、はい」 ドアを開けると、ネッサローズが立っていた。 「ホグ……ここにいたのね」 「おかあさん」 「ダメじゃない。ちゃんと寝てなきゃ」 「大丈夫だよ」 ホグが少し不満そうに答えた。 「ダメよ。さ、お部屋に戻りましょう。みんなの邪魔もしちゃいけないし」 ネッサローズが、ホグの手をとった。 「……うん」 ホグがこちらをちらりと見た。 きっと、まだここにいたいのだろう。 私は笑いながら、ホグの側に寄った。
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