サザンクロス~情報屋とコウノトリ~

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「ホグ。一緒に行こう」 空いてる方の手を握ると、ホグは嬉しそうに頷いた。 「……ホグったら」 ネッサローズが苦笑した。 「……ここを出る時が大変かも」 苦笑しながら、ネッサローズが呟いた。 「……お嬢。俺も一緒に行きますよ」 「…………」 無言でトトを睨むホグ。 「いや……あのさ、そんなあからさまに睨まないでくれる? 俺は玄関ホールを片付けに途中まで一緒するだけだから」 時刻は夕刻を迎える頃になっていた。 「……ったく。お嬢もちょっとくらい俺をフォローしてくださいよ」 困ったようなトトがおかしくて。 「知~らない」 私は笑いながら、ホグと一緒に義父さんの書斎をあとにした――
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