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書斎に残されたヘンリーとエムが会話を交わす。
「あ~あ。なんか、なし崩し的にドロシーも一緒に行くことになっちまったなぁ~」
「やはり、心配ですか?」
「それもあるけど……あ~あ。せっかくドロシーと二人っきりですごせると思ったのになぁ~」
「……そっちですか。ヘンリー様……私のこと忘れてませんか?」
エムが、呆れたように突っ込んだ。
「ところでさ……お前、さっき何を言いかけたの?」
「ああ……。別にたいしたことじゃありませんから。気になさらないでください」
「……いや。気になるから。言いかけてやめるとか、ムチャクチャ気になるから」
「……嫌な感じがするんです」
エムが眉間にシワを寄せた。
「嫌な感じ?」
「説明が難しいんですけど……空気がピリピリしてると言いますか……この場所にドロシー様達を置いておきたくないような……そんな気がするんです」
「軍人の第六感ってやつか?」
「さあ……どうでしょう? 私もあなたに付き合って、隠居生活が長いですから、あてにはなりませんけど」
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