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「まあ、杞憂に終わってくれるのが一番だよな」
ヘンリーは重い空気を振り払うように笑って、エムの肩をぽんっと叩いた。
「……それよりも、ドロシーに渡す旅のしおりを作らねばっ！」
「旅のしおり？」
「そうだ。“危ないとこにはいくな”とか、“トトはあんまり引っ付くな”とか、“グリンダも引っ付くな”とか大事なことを箇条書きするんだよ。お前も手伝え」
「はあ……。大事……なんですか」
「大事だよっ！ 特にトトとグリンダのとこっ！」
エムが大きくため息をついた。
この方は……そういうところが、御自分の残念度を上げているってことに気付かないんだろうか……。
そう思わずにいられないエムだった。
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