サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.2~

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ぶにっ。 頬に痛みが走る。 ぶにっぶにっ。 更に痛み。 ばっと目を開けると、トトの顔。 「お。目が覚めたか」 トトが、私の両の頬をつねりながら、微笑んだ。  「お嬢。着きましたよ」 「“ふひまひふぁ”ひゃにゃひ!」 「何言ってんです? お嬢?」 面白そうに、トトが頬をぐにぐにと引っ張る。 「いひゃいっ! ふぉふぉっ!! ひひふぁふぇん、ふぇをはにゃふぇぇっ!!」 トトがぱっと手を離した。 「いったぁ~。あんたねぇっ! 顔が崩れたらどうしてくれんのよっ!」 頬をさすりながら、トトに抗議する。 「でも目が覚めたでしょう? 結果オーライってことで」 「“結果オーライ”じゃないわぁっ!!」 バックミラーを覗くと、案の定、頬っぺたが赤くなっている。 ああ……もう。トトのあほんだらぁ~!! 「大丈夫ですよ」 「何が大丈夫なのよ!?」 まだ、ヒリヒリしてるんだぞっ!!  「たとえ、顔が崩れたって大丈夫ですよ。俺が責任を取ればいいんですから」
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