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トトが笑顔で答えた。
“Dr.オールボーン”
――モグリの医者で、もと教師。トトの先生。なので、私もなんとなく“先生”と呼んでいる。
トト曰く、“立ち回りの下手な人”。誤解される物言いをするため損してるとのこと。それが原因で教師もやめざるを得なかったらしい……。トトはしょうがない人ですと言いながら、いまだにこの人を敬愛(?)している。……というより、おちょくっている……のか?
「師匠はホント変わりませんよね。学生時代、師匠を好きって女性も多かったのに、その物言いが災いして、彼女いない歴○○年」
「やかましい。お前に言われたくない」
……ある意味、いいコンビである。この二人は。
「ほら、師匠。朝ごはんにしますから、広げたモノを片してください。レオンは食べる前に手を洗いましたか? ああ、てつおくん。そののいちごはデザートです。食べるなら食事の後にしてください」
「ああ、うるさいな。母ちゃんは」
アルがちゃかす。
「そういうこという人には、デザートはあげません」
トトがそう言って、アルの前に置いてあるのいちごの入った皿を取り上げた。
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