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「惚れた」
それは非常に簡潔な一言。
「………………はい?」
「いや~、惚れたわ。ぱねぇわ。超俺好みだわ」
……何? この展開?
「きっと君は俺のファム・ファタール。運命の人。君と俺は出会うべくして出会ったんだよ」
とびっきりのキラースマイル。
歯が光ってます。
「いや……あの、ちょっと待って……」
この展開は……唐突すぎる。携帯小説にはありがちだけど、唐突すぎるでしょう!?
「だからさぁ、君の名前とお店……教えて? メルアドとTEL番も」
勝手に話を進めていくホスト。てか、いつまで手を握っているつもりだ。この男は。
そう突っ込んでやろうとしたとき、ホストの背後で軍服Bがよろよろと起き上がった。
「てめえ……。その女は俺が先に目を付けた女だ!」
「は? 恋に後も先もないね。てか、あんたにゃもったいない」
ホストが私をぐいっと引き寄せ肩を抱く。
ちょっ……! 何すんだ!? この男は!?
「それは俺の女だ! 離れろっ!」
軍服Bが、ホストに殴りかかってきた。
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