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「あっ! てめえっ!! ホントに母ちゃんかよ!?」
アルがトトから皿を取り返そうとする。
その横から、レオンが皿をひょいと取り上げた。
「……ドロシー。……後で一緒に食べよう」
「なんでそうなるっ!?」
「…………だって、アル……いらないんだろう? デザート。…………だから、ドロシーと俺で食う」
「食うなっ!……あ、ドロシーちゃんは食べたかったらあげるけど?」
「……その代わり?」
「チュー1回!」
「はいっ! お約束っ!!」
言いながら、脳天にチョップを食らわす。
「かふっ!」
そのまま、アルが沈む。
「……五月蝿い」
オールボーンが紅茶をすすりながら、呟いた。
……なんかこの人、今“漢字”で呟かなかった?……すごい痛く感じるんだけど。気のせい?
――――相変わらずの1日が始まろうとしている。
騒がしい連中と、ばか騒ぎしながらの旅の始まり。
――だけど、皆知っている。
ばか騒ぎするのは、忘れたいから。
――私達が“この世界”から“拒絶”されながら旅をしていることを……。
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