サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.2~

20/38
前へ
/604ページ
次へ
こいつ……すごいかも。 私の視線に気付いたホストがニコッと笑う。 「惚れた?」 「惚れるかぁっ!!」 盛大に突っ込む。 「てか、保護者さんよ。この子に当たったらどうすんの? ちったぁ考えろや」 「そんなヘマしねぇよ!!」 トトの手刀がホストに襲い掛かる。 「のわっ!!」 寸前のところをホストが避ける。 「ちょっ、ちょっと待って!! トトっ!! 落ち着いてっ!!」 「……うるせぇ。お嬢は黙ってろ」 ドスがきいてるとしか言いようのない、マックス低音ボイス。 ヤバイ……。 トトのやつ……カンペキにキレてる。 「あちゃ~」 ホストが頭を掻きながら、トトを見る。 「保護者さん……キレちゃったみたい。どうしよっか?」 「あんたのせいでしょうがっ!! あんたのっ!!」 にへらっと他人事のように笑うホストに怒鳴り返す。 でも、このままじゃホントにまずい。絶対にどちらかが……いや、どちらも血を見ることになる。 なんとか、トトを落ち着かせなくっちゃ……。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加